映画『サイドウェイ』を観る 

アカデミー賞をいろいろ受賞していたのと、周囲の人の評判を
聞いて、観てみる気になった。
そんなこんなで、住んでいる街に新しくできた映画館で観てみた。
なんつーか、大人のコメディ映画ですな。
コメディといってもジム・キャリーがやるような
お馬鹿なコメディではなくて、品はないけれど、
誰もが笑えるような話になっていた。
この映画はワインがモチーフになっていて、
登場人物たちがうんちくをいろいろ語る。
「ワインは生きていて、年月を経るたびに
味も変わっていく」ということを、熟年となった
登場人物と重ね合わせている。
ワインももちろん変わるだろうが、飲む人も日々変化している。
このことは、ワインと飲む人の出会いが最高の味わいになる
ことを示している。
ワインが最高の状態のときに、最高の状態の自分がそれを飲む。
人と人との出会いも同じで、会うべきときに会わないと
最高の出会いにはならない。
しかし、最高と思えるような出会いは、あとから考えると
会うべくして会ったのだと思えるものだと思う。
そうした、ワインと人との出会いを、人と人との出会いに投影している
ところが、この物語をいっそう深いものにしている。