新宿でカレーを食べるということは、
5分で店を立ち去らねばならないことを示している。
今日、新宿でカレーを食べた。
新宿の駅の構内にあるカレー屋さんである。
よく知られたカレー屋さんである。
カウンター席だけで15〜20席ぐらいであろうか。
食券制なので、食券を買い、席に座ると同時に
食券を店員に渡し、出された水を一口飲む。
そしてそのグラスを「コツ」とテーブルに置いた
その瞬間に「お待たせしましました〜」といって
カレーが登場したのである。その間、6秒。
私は申し訳なく思ってしまった。
全然待っていない。それなのに「お待たせした」と
店員は言っているのである。
そんなにせっかちな人間に見えたのであろうか。
こんなせっかちな人間になってごめんなさい、
こんな大人になってごめんなさい、
生まれてきてごめんなさい、おとうさん、おかあさん、
おお、神よ……などと思っている暇もなく、
私は運ばれてきたカレーを5分で食すという
困難な事業に取り掛かった。
食べたのは、コーンカレー。カレーの茶色とコーンの黄色の対比が
イヤにまぶしかった。高校生カップルがマックで仲良くハンバーガーを
ついばんでいる光景くらいまぶしかった。
そんなこんなで、私はコーンカレーを食すという難事業を
完成させた。完食したのだ。
その間、実に5分。せっかちと思われているから、これぐらいの
時間で食べなければならなかった。
「カレーは飲み物」という名言を吐いたのは、デブキャラの先がけ、
ウガンダ氏だったという。
そうかもしれない。あのカレー屋は、カレー屋というより、
カレーバーと呼ぶほうがしっくりいくかもしんないな。