12の夏

自分の人生でやり直した日々があるとしたら、
世の人はいつだと答えるのだろう。
ぼくは小学6年生の夏休みをもう一度だけ
過ごしてみたい。
ラジオ体操に出て、体操もそこそこに、その日の
遊びの計画を友達と練る。
いったん帰って朝食を食べたら、もう一度、寝る。
午前10時。近くの公園に集合したら、
山にカブトムシを獲りに行く。
そのつもりが、途中で川遊びに変更。
そのうち、足を取られ、川にはまり、全身ずぶ濡れ。
びしょびしょになった服を乾かすため、
自転車で土手を疾走。乾いた服が川臭さを放つ。
午後7時半に帰宅し、夕食を食べたら、花火。
といっても、手持ち花火など生易しいものじゃない。
ロケット花火を発射角度10度に設定し、
テポドンよろしく発射する。
誤って民家に着弾し、平謝り。
夏休みの宿題なんて、知ったことじゃない。
…っていうか、いま書いてて思ったのだけど、
今でもできるな。