「説明したくなる欲求」との向き合い方

映画「君の名は。」の他の人のレビューを見ていると、

いろんな見方があっておもしろかった。

いろんなことが説明不足、という意見が多かった。

「それを説明すると野暮」といった次元のものではなく、

メインのストーリーに対して枝葉のところは、

見る人の想像力、解釈に委ねているということ。

「クリエイターというのはわかってほしい人種」と岡田斗司夫氏は

いうのだが、そのために説明を尽くそうとすると、

いろんなところで矛盾が出てくる。

私も若いころ、文章を添削してもらったときに

「下手に触れるから説明しないといけなくなる。

だったら、触れずに逃げておけばいいんだよ」

とよく言われたものだった。

「説明したくなる気持ち」をぐっと抑えて、

「本当に言いたいこと」をメインのストーリーの中で

語っていくべきだと。

じゃあ、メインのストーリーの中で本当に語りたいことは何かというと、

「人と人との縁(結)」と、「運命に挑む」ということの2つだろう。

この映画は、心とからだの入れ替わり、タイムリープ

パニックもの、それにラブストーリーを掛け合わせた

とても複雑な構造になっている。

ラブストーリーの軸にこれらの要素を絡ませながら、

男女の出会いの中にこの「人と人との縁」「運命に挑む」という

2つのファクターを埋め込んでいる。

人と人とが出会い、行動することで運命を変えることができる、

これが言いたかったことではないか。

現状に悲観したまま生きるな、人と出会い、行動し、

運命を変えていけ、この映画の監督はそういっているのだ。

これは閉塞感漂う現代に生きる私たちにとって、とても重要なテーマ。

何回も見直したくなるそんな映画でした。

取得時効とは 

10年間、また20年間、所有した場合、その人に保有権がなくても、

その人の持ち物になる

このように民法で決められている。

他人のものだとわかっていた場合は20年、

知らなかった場合は10年で、これを取得時効という。

民主主義においては、所有を主張しないと権利は失効する。

お金を貸した場合は請求しないと債権は消失する。

返してほしかったら、そう言わないといけないよ、

そうでないと返してほしいと認められませんよ、ということ。

いま所有者のわからない不動産が日本中でめちゃくちゃたくさん

生まれている。

取得時効によってどんどん所有者不明の不動産は活用して

いったほうがいいのではないか。

もちろん、それは公益にかなうかたちで。

大変な株高 

ここのところの株高は大変な勢いだ。

日経平均株価はバブル期を超えた。

人の意識はおもしろいもので、

バブル時の最高値の3万8000円を超えると、

そこで利益を確定しようという動きになるものだが、

今回はそれを超えそう。

4万円という切りのいい数字でも利益確定で

売りが入って株価は一時的に少し下がると予想するが、

そうでもないのかもしれない。

今回の株高はこれまでのセオリーが通じないのかも。

世界の国々は金融緩和をし続けたために、

現金が価値を失い、金余りになっている。

そこで投資先を探していた投資家が、

円安で割安になっている日本株に目をつけ、

中国の失速もあって、日本の株高になっているのだそう。

ともあれ、私のような素人は黙ってNISAを

やるぐらいでいいのだろう。

試み 

「これはおもしろい試みだな」と思ったものがある。

昨今はレトロゲームブームであるようだが、

あえてレトロゲーム風にした推理ゲームが発売されている。

 

「伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠」

「大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭」

「秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花」

 

これらは実際の場所や、ものを扱いながら、架空の登場人物が

謎解きの世界を探訪する旅情ミステリーになっている。

40代以上ならなじみやすいドット絵になっていて、

英語、スペイン語版がある。

ちょっとお金に余裕が出てきた40代以上の人に

ゲームで遊んでもらい、観光客としても呼び込もうという

ことなのだろう。

レトロゲームは世界でも人気だから、

インバウンドも期待できるのかもしれない。

地元の観光協会と組んでやっているのだと思うが、

どういう仕組みになっているのか。

今後もこういうのが出てくると面白いし、

こういう試みを出版業界もやっていかないといけないよね。

映画「君の名は。」

ずっと食指が動かず、テレビ放映されていたものを録画したきり

になったいたものをやっとみた。「君の名は。」である。

高校生男女の心とからだが入れ替わる話らしいこと

だけ知っていて、あとは何も予備知識はなし。

途中から、そういう映画なん?といい意味で予想を裏切られた。

まず全体的な感想からいうと、途中からどんどん物語に

引き込まれていき、飽きることなく集中して見られた。

さすがに250億円とかの興行収入を得た作品だけある。

いろいろと納得しがたいことはあった。

人物が「その行動を取ることの必然性」をもう少し丁寧に

描いてほしかったという箇所がいくつかある。

「この理由があるからこの行動になる」という

納得感がないと共感できないからだ。

主人公の二人の男女は、普通の人なのだが、

勇気をもって行動したところに好感が持てた。

どちらも日常には飽きているのだが、失われて初めて

日常の大切さがわかるといったこととか、

この映画を通じて伝えたい思いをもう少しわかりやすいかたちで

提示してもよかったんではないかと思う。

けれども、いろんな要素を1つのストーリーに整理して

まとめて大人の鑑賞にも耐えうる作品にしている点は

素直に素晴らしいと思った。

新海誠監督のほかも作品も見てみたくなった。

あと、気になったのは背景があまりにも精緻に描かれている点。

人間の目は見たいものに焦点が合って、

それ以外のものはぼやけてなんとなく見える。

そうなっているのは、全部に焦点が合うと情報量が多すぎて

処理しきれないからだと思う。

これがこのアニメでは起こって、「背景がうるさい」状態に

なってしまう感じがした。

私には背景がざっくり描かれている作品の方が

疲れないので合っている気がした。

ヤバい人に「ありがとう」

私のことを浅く知っている人は、私を素直で真面目で

純真な心の持ち主だと思っているかもしれない。

ところが、私の場合、そんなにいいもんではない。

表面的には法律も時間も約束も守るし、

道徳的かもしれないが、そこにたどり着くまでには

何週かしている。

社会人になって、以下のような人たちと会ってきた。

 

自分の地位や名誉に貪欲な人

相手を脅して従わせるような人

お金に汚い人

嘘はついてはいけないと言って嘘をつく人

言いにくいことはメールにしたり、人に言わせる人

 

政治家や元官僚や、俳優や大学教授や元アナウンサー

だったりして、よく知られている人たちだ。

こういう人たちのことを「ああはなるまい」と

反面教師にした末に私は出来上がっている。

だから、こういう人たちに感謝です。

ヤバい人に会ったら、

「なってはいけない人」

の見本を提供してくれてありがとう、です。

盛者必衰 

ニュースを見て驚いたんだけど、イトーヨーカドーが続々と

閉店しているんですってね。

イトーヨーカドーといえば、駅前というよりもが郊外型で

専門店と併設されて、ショッピングモールを形成している。

考えてみれば、もともと駅前商店街でみんな買い物をしていたが、

三越などデパート・百貨店ができて、商店街は衰退していった。

ところが、今度はそこへ郊外型のイオンやイトーヨーカドー

主導するショッピングモールができて、デパート・百貨店は衰退。

今度はショッピングモールが衰退するフェーズに入ってきた

ということなのだろうか。

人々のライフスタイルや経済状況は日々刻々と変化する。

それに合わせて業態を変化させていくのは大変だ。

まさに盛者必衰ですなあ。