映画「赤ひげ」

「赤ひげ」は黒澤明監督作品。
赤ひげは人情味あふれる腕利きの名医ということだけは
知っていて、それ以外は何もわからなかった。
3時間もある長編映画だったのですね。
全編を通して、赤ひげがいかに情に厚く、志をもった
医者であるかが、若い医者の保本に視点で語られる。
なのだが、私としては保本の成長の映画としてみた。
保本は最初、自分はエリートで、こんな場末の養生施設に
いるべきではないのだと考えていた。
しかし、赤ひげの医師としての志に触れるうちに、
自分がいかにちっぽけであるかに気付く。
赤ひげは、特別に格言的なことを言うわけではない。
けれど、人間としての分厚さ、貧富の差や立場の違いを
超えて、健康に対する真摯な態度を見せるだけだ。
こういう医者は少なくなったが、現代にもいると思う。
私は現に素晴らしい医者に何人も会ってきた。
若い医師にはこの映画を見て、
赤ひげや保本が何を大事にしようとしているのか、
考えてほしいと思う。
そうすれば、きっといい医者になれる。