AIで番狂わせがなくなる?!

不寛容がAIを促進するという話をもうちょっと。
スポーツの話がわかりやすい。
いまのAI社会をつきつめていくと、スポーツの審判・レフリーは
すべてAIなり、ロボットなり、IoTなりに変換されるだろう。
この味気なさによって、スポーツのおもしろさのいくらかはそがれる。
2015年のラグビーW杯で、日本は世界ランク3位(当時)の
南アフリカに勝ったわけだが、その裏にはレフリーの傾向を
分析した戦術があった。
事前に分析した結果、そのレフリーには「ノット・ロール・アウェイ」
という反則をとりがちな傾向があった。
そこで、その反則がもらえるような戦術を遂行したおかげで、
トライできなくても、反則後のペナルティキックで得点を加算した。
そして、ついには格上の相手を倒したのだ。
野球でも、審判の傾向をつかんだうえでその日の配球を決める。
「高めをよくストライクにしがち」とか、
「外角のストライクゾーンが広い」という審判の傾向を読んだうえで
ゲームを組み立てるのだ。
こういうことを考えるのは、だいたいが格下のチームだ。
まともにやっては勝てないからそういうことを考える。
いわば弱者の戦略。
頭を使えば勝機が見いだせるというわけだ。
AIが審判・レフリーをすると、こういうことはできなくなる。
つまり、番狂わせが起きにくくなる。
そういうスポーツが面白いかどうか考える必要がある。