企業はなんも悪くない

いまの食品はまがいものばかりだ、という人がいる。
お菓子は体に悪いとか、ファーストフードのハンバーガーは栄養の
バランスが悪いので、健康によくないとか。
そういう食品会社や製菓会社、ファーストード店は何も悪くない。
だってね、企業は「うちの商品がいくらうまいっていっても、
毎日食べるやつはいないだろう」って思っているからだ。
「毎日食べたら体壊すよ。でも、時間がないときもあるよね。
そういうときは、これでさっとつくってね、さっと食べてね」
という意味で売り出している。
肉だけあれば、チンジャオロースができるとか、
豆腐だけあれば、マーボー豆腐ができるとか。
メーカーは毎日食べるなんてことは想定してない。
まがい物とか、健康に悪い食べ物は、時間がない時に
食べるものとしてつくられている。
でも、昼にファーストフードを食べ、おやつにポテトチップスを食べ、
夜に「かんたんチンジャオロース」を食べ続けたら、
病気になるかもしれない。
現代人は、急場をしのぐこれらの食品が当たり前になったので、
食事とはこういうものだと勘違いしている。
勘違いというか、子どものころからそうだから、
本来の食事を知らないのかもしれない。
でもね、メーカーは「毎日食べるなんて想定してない」なんて、
言えないですよ。いっぱい売ろうとしてるだろと言われたら
そのとおりなんですから。
「そんな体に悪いもの売っていいのか!」なんていう資格はない。
本当に体に悪ければ、売れなくなるだけの話。
それを体が悪くなるほど、毎日たくさん食べている人のほうに問題がある。
おかしいのは、企業じゃなくて、私たちのほうだ。
私たちは自分でつくって食べ、時間がないときだけ、
「まがいもの料理」を食べ、ジャンクフードを食べ、ファーストフードを
食べればいいのに、それが「食事」だと思っているのだから。
企業が売る食事に文句をつけたくなったら、
自分の食生活が乱れていないか考えてみる必要がある。