「恐怖を煽る」以外の方法で

前にも書いたかもしれないのだが、今一度書いておこう。
ある食べ物ががん細胞に与える影響について研究している
大学教授の話を聞いたときのことだ。
その先生の話では、
ある食べ物は、ある臓器に関してはがんの抑制に働くが、
別のある臓器に関しては促進、つまりがん細胞を増やすほうに
働くのだという。
こういったことがあらゆる研究機関で毎日研究されているが、
すべての食べ物の影響がわかっているわけではない。
先生がいうには、いろんな食材をバランスよく食べる
以外に食べ物によるがんを予防する術はないのだそうだ。
そういう本の出版を考えたことはないのか尋ねると、
「そういう本当だけど当たり前のことを言っても誰も注目しないでしょ」
というのである。
なるほどと思いつつも考え込んでしまった。
メディアの世界では、「大丈夫だ」というよりも、「危険だ」というほうが
人々の耳目を集めるのが常だ。
放射能だって、PM2.5だって、鳥インフルエンザだってそうだ。
「大丈夫だ」というとすぐに「どこから金をもらってる」となる。
でも、「当たり前のことだけど、みんなができていないことについて、
どうにかして人々の耳目を集める方法を考える」のも発信する側に
いる者の役割かと思う。
「恐怖を煽る」以外のやり方で、本を売る方法を考えていきたい。