7つの贈り物

いきなりネタばらしをしますので、ご注意を。


ウィル・スミス主演のこの映画は、自分の不注意で交通事故を起こし、
7人の死傷者を出してしまった主人公が、自分の財産や自分の体までをも
差し出し、他人を助けることで贖罪しようとする物語である。
ところが、主人公が事故を起こしたことは知らされないまま物語は進む。
そのため、主人公がなぜ人助けをしようとするのかわからないまま
物語は進む。ミステリーの要素を含んだ、ヒューマンストリーである。
最近、この手のつくりが多い。
ミステリー的な手法を使って、ハートフルな展開にハラハラドキドキ感を
加えようというものだ。工夫しているのはわかるが、なんとなくしっくり
こないのはなぜだろう。
いい話っぽいけれど、最後に主人公自信が自死を選ぶところが
まったく共感できないのだ。
「償い」としてはあまり褒められた態度ではない。
もっと別のやり方があったように思えてならない。
たとえば、交通事故被害者の会に出席するとか、遺族に対して
金銭的に援助するとか、そういう事業を行っている団体にボランティアと
して参加するとか、死なない償い方があったはずなのだ。
たぶん、宗教的な考えもあってのことだと思う。
主人公は終盤恋に落ちるが、それでも自殺して償う決意は変わらない。
その意志の強さにはこの主人公の人間性が見えた気がした。
鑑賞後の後味が悪かったのが残念。
やはり主人公に共感できないとつらいですね。