今、プロ野球で最も流行している球種はというと、
野球を知っている人は何というだろうか。
ぼくは、シュートだと思う。
これって、気づいている人は少ないのではないかな。
楽天野村監督は投手陣全員にシュート体得を命じているという。
ぼくも野球をやっていたからわかるが、
右打者の場合の、右投手が投げるシュート、
左打者の場合の、左投手が投げるシュートほど
打ちにくいものはない。
スライダーやフォークは逃げていくボールだけど、
シュートは向かってくるボールだから食い込まれてしまう。
昔はシュートはひねって投げるものと思われていたが、
スライダーと同じで、握りを変えてストレートと同じ腕の振りで
投げることが知られてきたから、肘や肩の故障もない。
藤川球児のようなストレートは、「落ちない変化球」とも言えるので、
これにチェンジアップや、フォークなど「落ちる変化球」を交えると
対になるので、打者をかく乱できる。
同じように、スライダーと逆の変化をするシュートを交えると、
これも対になるので、打者をかく乱できる。
二つの球種を一つのセットとして考えるのが、野村監督の配球論なのだ。
でも、ひとつ難点なのは、テレビ中継が中央やや右よりのカメラ位置
なので、テレビではシュートの変化がわかりにくいことだ。
普通のストレートのように見える。
どんどんシュートが流行すると、そのうちこのカメラアングルも
変更せざるを得ないだろう。
普通のストレートのようなのに、なんであれが打てないんだろう
と思ったときは、シュートだったのかもしれない、と思ってみていると
プロ野球がちょっとおもしろくなるかもしれない。
