最近、世の中の厳罰化が不安です。
殺人事件は減っているけど、猟奇的ともいえる奇妙な殺人事件が
多いので、「大変な世の中だ。厳罰で抑止するしかない」と
いうイメージになっているのだろうと思う。
先進国の中で日本ほど死刑の多い国は珍しい。
世界的には死刑廃止が多いのに、日本は逆行している。
被害者感情としては、相手にも同じ目にあわせてやりたいという
思いはわかるし、それが当たり前だと思う。
けど、まったく関係のない人も日常生活のなかで
「あんなことやったヤツは死刑にしちまえばいいんだよ」
といっているので怖くなる。
第三者は客観的でなければならないのに当事者と同じ感覚で
ものごとを見ているところは、非常に危うさを感じる。
立場が違えば意見も変わって当然です。
だから、被害者と第三者の意見は違っていていいんです。
でも、被害者の心情を必要以上にくみとり、
感情的な議論をしているような気がします。
もうちょっと冷静になったほうがいいのではないですか。
裁判員制度が始まるのですが、こういう社会の雰囲気がどんどん進むと
どんどん死刑が執行されることになってしまいそうです。
それが排他的な社会の雰囲気（抹消しさえすればいい）を生むことに
なりはしないか、と思うのです。
