人間の関心

人間というのは、時間と空間が自分に近い部分ほど
関心が高いのだそうである。
x軸に時間軸、y軸に空間軸をとる。
x軸とy軸が交わる点が、「いまここに自分がいる」ということである。
誰しも、10年後のことよりは、明日の休みに何をしようかという
ことに関心を持つものだし、友人のことよりは、自分のこと、
家族のことのほうに興味を示す。
右上に行くほど宇宙に近くなり、興味も関心も薄くなる。
だから、環境問題などという先の話より、年金のほうが関心は高いのだ。
ただ、一気に視野が広がることがある。
それが、子どもが生まれるということによって起こるのだそうだ。
「この子が大人になるとき、自然環境や年金はどうなっているのか?」
と考え、そこで初めて視野が広がる。
人は自分とその周辺のこと以外は、本当はどうでもいいと思っている。
自分が死んだら関係ないからだ。
しかし、自分の血のつながった誰かに影響が及ぶということを考えれば、
自分が死んだあとのことは関係ないとは思わなくなる。
子どもが生まれるということは、実はそういうことなのだ。
そういう意味では、みんな一度は子どもをもうけてみればいいと思う。
そうしたら、誰もが身勝手に見えるこの世の中に
少しはお互い遠慮して生きようと思う人が増えるのではないだろうか
……そんな思いを抱きながら、今年も暮れる。
皆さまにとって、実り多き一年になりますように。