頑固と言われて

先日、仕事の上司に婚約者を紹介した。
上司「こいつ(ぼくのこと)は頑固だろう」
婚約者「そうなんですよ。すごい頑固なんです」
本人を目の前にしてそういうこというわけですよ。
前に付き合っていた女性にも似たようなことを
言われて、それを人づてに聞いたことがある。
「他人の意見を聞き入れない」「こうと決めたら曲げない」
頑固とはこういう意味だと辞書に書いてある。
「果断」は褒め言葉だが、「頑固」はそうではあるまい。
自分という人間をもっとも近くで見ている二人が
そういうのだから、たぶん間違っていない。
「俺は頑固者じゃねー!」というほど、頑固ではないつもりで
いたのだが、周りからはそう見られていたという新鮮な驚き。
「なんでもいい」「どうでもいい」「適当でいい」
が口ぐせだというのにだ。
矢沢永吉氏がインタビューでこんなことを語っていた。
この年になって、ある人から「矢沢さんの楽曲はかっこよすぎる。
聞く人はもっと純粋にたのしみたいんじゃないの」と言われた
彼は、改めて自分の曲を聴いてみる。
すると、今まで見えなかったものが見えたという。
つまり、自分が最高と思ったものは聞くものも最高と思うはずだと
自分で自分に酔っていた、というのだ。
だから、これからは聞くものを酔わせてみたいというのだ。
そして、余計な音をそぎ落としたアルバムを発表するとのこと。
頑固につくってきたのに、今になってふとそうした周りの
意見に耳を傾けられるところが彼のすごいところだ。
そのインタビューの中で彼はこう言っている。
「頑固って純粋でマジであることの裏返し」
なるほど。いいことを言ってくれた。
そう考えれば、頑固もいいかもしれない。