くらやみ祭 

私が住んでいる街に「くらやみ祭」という、大変大きなお祭りがある。
神話の神様を祭っている神社で行われ、いくつもの山車が
引き回されたり、神輿が威勢よく担がれたりする。
何日間かにわたって様々な神事が行われるのだが、
その中に「やぶさめの儀」というのがある。
やぶさめとは、流鏑馬と書く。馬に乗って走り、的を弓矢で
射抜くもので、非常にファンタスティックなものだ。
このやぶさめは、各地方のお祭りで行われるが、この「くらやみ祭」での
「やぶさめ」は違う意味で度肝を抜かれるものだった。
午後10時半の旧甲州街道のど真ん中で、止まったマンマの馬の上に
乗った人が、これまた止まったマンマの的を「パコッ」とやるだけ
なのだ。しかもそれを3回やる。
さすがに矢の先は吸盤になってはいなかったが、
こんなにあっさりしたものとは思わなかった。
しかし、厳かな雰囲気はあったので、そういうのに浸れただけでも
よかった。こういう祭りは、最低でもあと600年ぐらいは
続けてほしいと思う。