というタイトルのフランス映画がある。
囚人が刑務所の部屋に穴を掘って、脱獄を図る映画だ。
この映画、とにかく、ひたすら、穴を掘る。
まったく音楽は使われておらず、コンクリート
掘る音だけが、響き渡る。
たいしたストーリーはないのに、刑務所の狭さ、冷たさ、
わびしさ、やるせなさがガンガン伝わってくる。
自分も一緒に穴を掘っているような気になってくる。
マフィア映画を見ていてもそうなのだが、社会悪を描いて
いても、主人公たちに感情移入して、彼らにうまくいって
ほしいと思う。
あれは何なのだろうと思う。
それが映画の醍醐味なのだろうけれど。