植物と人間

植物の体の構成を別の視点から考えてみよう。
植物の体は基本的にセルロースとヘミセルロース、それにリグニンという
3つの物質からできている。
セルロースとヘミセルロースは、多糖類と呼ばれていて、
人間の胃や腸から出る酵素では分解できない。
これら3つの物質が混ざり合って、細胞壁をつくっていて、
その細胞壁の中は水だ。
セルロースを分解する酵素セルラーゼという。これによって、
セルロースを分解したものがグルコース、いわゆるブドウ糖になる。
セルラーゼを持っていれば、分解して活動のエネルギーにできる。
ウシやウマなどの草食動物は、セルラーゼをつくれる微生物を
体の中に住まわせているので、草だけを食べて生きていけるわけだ。
紙は繊維、つまりセルロースなどからできているから、
草食動物のヤギが食べても大丈夫なわけだね。
人間は野菜のでんぷん部分だけをブドウ糖として利用し、
その他の分解されなかったものは便として体外に出す。
「食物繊維で便通がよくなる」というのは、消化されないものが
大腸に送られ、大腸が活発に動くためだ。
野菜の中にもでんぷんを多く含むものとそうでないのとがある。
じゃがいもやお米はでんぷんを多く含むが、チンゲンサイなど
葉物野菜のでんぷんの量はかなり少ない。
葉物野菜の中でも、白菜の白い部分はでんぷんを含むが、
青い部分はでんぷんをあまり含まない。
人間はでんぷんもアミノ酸もつくれないので、
食べ物から摂るしかないわけだね。
ちなみに、病気したときにする点滴。あの中身はスポーツドリンク
と似たようなものらしいです。
点滴の袋を見てみるとグルコース、あるいはブドウ糖
書かれていると思います。
要は口から入れると、胃や腸で分解するわけだけど、
体が弱っているときは、胃や腸で分解するにも体力を使うので、
直接血管に入れちゃおうってこと。
点滴になる前に体を休めることだね。