人材を有効活用する伝統

将棋とチェスの違いでよく言われるのは、
チェスは取った相手の駒は使えないが、
将棋はいつでも盤の上に復帰させることができる点。
チェスも将棋も戦争のシミュレーションであることは
間違いないが、人材観がそこに現れていると言われる。
つまり、チェスが生まれたユーラシア大陸では
人材が豊富なので、相手を根絶やしにしても困らない。
しかし、日本では人材が限られている。
人材をよそから連れてくるには海を超えなければならず
コストがかかるからだろう。
そのせいで、人材を大切にした。
戦って負かした相手も殺さず登用した。
(まあ、そのせいで裏切りが横行するのだが)
ひるがえって今を見てみると、
人材不足の折、限られた資源を有効活用することが求められる。
ブラック企業は人がいなくなって衰退し、
働く人に優しい企業が生き残るようになるのかもしれない。