欲望ではなく執着

仏教を学んだある人がこう書いていた。
「欲望がなくなったら生きてはいけない。
苦しいのは、欲望があるからではない、執着があるからだ」
お金や愛やほかの何かを、自分のものと思って手放せないでいると苦しむ。
「あのお金があったら」とか、「あの人を失っていなければ」とか、
執着があると、それにとらわれて苦しむのだと。
所有ではなく、借り物だと思えばいい、とその人はいう。
いつかは返さなければいけない借り物だから、
とらわれることがなくなる。
でも、多くの場合、欲望が苦しみの原因だと思っていて、
欲望をなくす、もしくは減らせないかと考える。
でも欲望を減らす必要はないのだ、執着を減らせばいいのだと
思えたら、少し心が軽くなる。
なくなったら、次に得るほうを考えればいい。それだけのことだ。