「面倒」とは

疲れた心と体に、はい一本。
名言サプリ その275


面倒くさくないところで生きてると、
面倒くさいのはうらやましいなと思うんです
(宮崎駿


宮崎駿の最新作「風立ちぬ」の制作に密着したNHK
「プロフェッショナル・スペシャル」内での氏の発言。
彼の製作段階での口ぐせは、「面倒くさい」らしい。
絵コンテを描きながら、「ああ、面倒くさい」「面倒だ」を繰り返す。
でも、上記のようなことをポロっという。
自分の立場が幸運で、恵まれた立場であることを良く理解している。
なんたって、クリエイターとしてほぼ「好きなようにやんなさい」
といわれてつくれるんだから。
それは裸の王様になるリスクと背中合わせだから、
よしあしではあるけれども。
どんな仕事も創造的だと思うけれども、特に何か作品をつくるという
ことにおいては、自分もクリエイターのはしくれなのかもしれない。
たぶん、自分も外から見れば、幸運で恵まれた立場に違いない。
でもそれって、離れてみなければ気づかないんです。
離れて、面倒くさくないところに身をおいてはじめて、
「面倒くさい」って、大事なことだねとわかる。
「大事なことは、だいたい面倒くさい」とも氏はいう。
面倒くさいことをしないですむような立場になって、
自分で決済できるようになったけど、それってなんだかつまらない、
という管理職の人は多いんではないだろうか。
「ああ、あの面倒くさい時代は幸せだったな、もう二度とやりたいと
思わないけど」ってね。
でも、宮崎氏の強みは、その面倒なことを72歳になってもやれることだ。
私は38歳で、まだまだ面倒くさいことをやる立場にある。
うらやましがられる立ち場にいることに、
改めて気づかせてくれた言葉だった。