『二十日鼠と人間』を読みました。

名作読書シリーズ③であります。
スタインベック二十日鼠と人間』を読みました。
学生時代からヘミングウェイを読んでいましたし、
どうもアメリカ文学が好きみたいです。
この『二十日鼠と〜』は映画を先に観ました。
それまで観た映画では、悪役が多かったゲイリー・シニーズ
大男の友人と連れ立って歩く小作人の農夫を演じます。
この映画のテーマは、
「果たして不完全なものは生きる資格がないのだろうか?」
「本当に本人のためと言えるのだろうか?」
のふたつと言えます。
これらのテーマは、病気や障害をもつ者への対応、
安楽死尊厳死ともかかわってくるもので、
現代にも通じる普遍性を持った課題です。
映画を観た時にも感じたけど、これらは表に出てくるテーマで、
裏には「人間はどう孤独と付き合っていくべきか」というのもある。
出てくる人物すべてが孤独で、誰かを恐れ、誰からも信頼されず、
常におびえて暮らしている。
暗く、陰鬱とした物語だけど、しみじみと考えさせる
良作といえる小説でした。