最近の憧れの職業

いま憧れの職業にキャバクラ嬢をあげる
ごく普通の女子高校生が増えているらしい。
「会社の情報が得られるから」と就職活動の一環として
勤める人もいるらしい。
例によって、メディアがいう「増えている」は多くの場合、
眉唾もので、どの程度増えているのかは知らない。
でももしそういうことがあるのなら、ちょっと考えてしまう。


水商売の中でも、キャバクラ嬢やホステスなど、ある面で女性の「性」を
売りにしている職業には、意識的な一線があってしかるべきだった。
他の水商売と明らかに違うのは、女性の「性」の側面をことさら
クローズアップして付加価値を生み出していることだ。
だからこそキャバクラ嬢たちは、同じ年齢の女性たちが到底もらうことの
できない額の報酬を手にすることができる。
お金が必要な、なんらかの事情を抱える人が、
一定期間だけ稼いですっぱり辞める例もあるだろうが、
そんなにことは簡単ではない。
これらの職業に勤めると、金銭感覚がマヒすることを
覚悟しておいたほうがよい。そこに一般企業との「一線」があるのだ。
時給3000円で働いた人でも、毎日8時間、月に22日働いて18万円
しかもらえなくなる。時給は1000円程度だ。
それが20代前半の賃金相場だ。
世間一般の金銭感覚が破壊されると、普通の会社の仕事は
安すぎてやっていられないと感じてしまう。
人間は一度上がった生活レベルを下げることは難しい。
その世界にどっぷり足を踏み入れると、
とことんその世界を極めていくしかなくなる。
しかし、自分は年をとる。
接客技術を上げていくことで若さを補てんすることもできるかも
しれないし、客層を変更することで生き残れるかもしれないが、
そうなると楽な商売とは言えなくなってくるのだ。
結局、ある時期が来たらすっぱり辞めるか、
その世界でとことん勝ち残っていくしかない。
とことん勝ち残っていく覚悟がなければ、
期間限定ですっぱりやめたほうがよいということになる。
キャバクラ嬢やホステスなどの職業を希望している人は
一般企業ではありえない高額報酬がもらえるのは
いったいなぜなのかを一度じっくり考えたほうがいいだろう。
それに、「企業情報が聞ける」という人は、
「すべての男性がそういうお店に行くわけではない」
ということを認識しておく必要がある。
その情報には「そういう店にいく男性」というバイアスがかかる
ことを理解したうえで、企業研究すべきだろう。
私には「居酒屋の店員」と「キャバクラ嬢」の間には
一線が見えるのだが、さてみなさんはどうだろう。