「あたたかい」と「冷たい」のせめぎあい

理解でけへん


ことは世の中にいっぱいある。
私が「理解でけへん」のは、東京のつけ麺についてである。
いま東京はつけ麺ブームである(たぶん)。
ラーメンは最初から麺がスープの中に埋没しているが、
つけ麺は、麺が隔離されている。
「ラーメンにすりゃあいいじゃんか。なんで、麺とスープを別に
するのか理解でけへん」という紳士淑女もいるが、
私はさすがにそんなわからずやではない。
私が「理解でけへん」のは、つけ麺の麺を冷たくしてある点だ。
あたたかいスープに、冷たい麺をくぐらせて食べる。
それが東京つけ麺の流儀である。
IT関係者などが好んで使う「デフォルト」である。
あたたかいスープに、あたたかい麺で食べたいときは
特別に「あつもり」でお願いします、といわなきゃなんない。


以前、喫茶店でホットコーヒーとアイスクリームを頼んだとき、
店のオーナーらしきババアじゃなかった、おばさまに爆笑されたことが
あった。「そんなことしたらお腹壊すわよ」というのである。
私はたいそう激怒したが、紳士的態度でその場を取り繕った。
私はホットコーヒーとアイスクリーム組み合わせが好きなのだ。
バーボンとチェイサーみたいなもの。
ギャル曽根が寿司を200個食べているときのアイスクリームと同じで
舌をリフレッシュすることでうまみが増すのである。


話がそれた。
あたたかいものと冷たいもののコンビネーションは
他にもあるのかもしれないが、つけ麺だけは許せぬ。
ホットコーヒーとアイスクリームはダメで、
なぜあたたかいスープと冷たい麺は憲法28条で許されているのか(ウソ)。
責任者出てこい!
と、1人吠えてみても始まらない。
「あつもりをたのみゃーいいじゃねえか」というが、その通りで、
あるつけ麺店で、「冷たい麺がおススメです」と書いてあったが、
断固拒否してあつもりを注文し食べた。
しかし、そんなに言うならと冷たい麺を食べてやったが(エラそう)、
やはりあつもりのほうがうまかった。
店側は「いや、麺のコリコリ感が・・・」とかいうのだろうが、
私は断固拒否する。
東京中のつけ麺屋がすべてあたたかいスープを出すようになるまで
オレは戦うゾ。