『歴史を考える』

司馬遼太郎が各界の著名人と歴史観を語り合った対談本。
口語で書かれているから読みやすいものの、
高校以上の日本史を学んでいないとちょっとついていけません。
私の場合、高校で日本史を勉強していませんので、
まったく知らない人物の名前も出てきたりして
退屈なページもありましたが、総じて司馬先生の歴史観
垣間見れておもしろいです。
意外だったのが、西郷隆盛を「無限におもしろい」と
存在を非常に評価している点。
彼の著作で西郷さんのってあったっけ?
そこまでいうならちょっと読んでみたいなと思った。
本書で日本人の「裏切り体質」ついて書かれてあった。
欧米なら絶対に裏切らないけど、日本では裏切っても生き続ける
ことに価値を置くといいます。
それで思い出したのが、チェスと将棋。
チェスでは相手から取った駒は使えないが、将棋では使える。
これは、日本人は戦争で勝った相手を自分の家臣として重用するが、
欧米では根絶やしにすることの反映だという。
だから、日本人は裏切るのは平気だし、裏切った人も殺さないで使う。
多神教一神教の違いもあるのかもしれない。
日本人の気質とか文化にも言及していて、
特に司馬作品に親しんだ人はおもしろく読めるでしょう。