チャイナタウン

ジャック・ニコルソンの名作サスペンス。
ニコルソン扮する私立探偵のジェイクは、ある日、浮気調査を依頼される。
それが真相を追っているうちに、
ロサンゼルスのダムと水の利権にたどり着く。死者がひとり、ふたり・・・。
そして、事件は意外な方向へ。
ってな感じのストーリー。
この映画、なんで「チャイナタウン」ってタイトルなのかわからなかった。
けれど、DVDの特典映像の中で、脚本家がチャイナタウンで勤務して
いた警官の友人から聞いた話をもとに着想したという。
「チャイナタウンでは怠慢にやるのが一番さ。
悪を追いつめて捕まえたとしても、それが別の悪を助けることになる。
だから何もしないほうがいいのだ」
という意味のことを言ったんだってさ。
チャイナタウン、つまり中国マフィアの世界は、華僑の世界と同じように
有機的な人間関係によって構成されている。
誰かにとっての悪人は、誰かにとっての善人であるかもしれず、
誰かにとっての善人は、誰かにとっての悪人であるかもしれない
ということなのだろう。
そういう現実社会のわかりにくい部分を、よく整理して描いていたと思う。
ニコルソンの、正義でもなく、悪でもなく、そのどちらをも
兼ね備えた演技は見応えがあった。なかなかの佳作です。