難しい朝青龍への対応

横綱朝青龍の「さぼりサッカー」問題で
「急性ストレス障害」という名称が出ている。
いわばストレスによる心の異変である。
こういう心の病は病名がたくさんあるが、
よくいわれる治療は、休養と薬物である。
朝青龍の態度とは別に、この疾患は治療が必要なものであるから、
医師の指導のもとにちゃんと治療をするべきだ。
ところが、関係者らからは「汗をかけばなおる」というような
話が聞こえてきたのは、ちょっと危ないなと思った。
うつ病などの心の病は日本であまり認知されておらず、
「気合が足りない」とか、悪い場合には「なまけ病」というふうに
とられて、周囲の対応に非常に苦労する患者がいる。
その一方で、医者の診断書を持って何ヶ月も休んでいながら、
旅行に行っていたというような公務員の話が出てくる。そうすると、
朝青龍も単なる仮病」という見方をする人も出てくる。
朝青龍の場合は非常に対応が難しいのではないかと思う。
「そんなんだったら、クビにしちまえ」とも思うが、
本当に重い症状ならば、1か月ぐらいの休養を与えて
回復を待たなければならないだろう。
心の病気に対する社会の認識が進んでいないため、
苦労する人がいる一方で、その認識の高まりを逆手にとって
悪用する人がいる。
こうなると、本当に苦しんでいる人はもっとつらい状況になる。
最近、周りでうつ病など心の病で苦しんでいる人の話をよく聞く。
社会的な影響もよく考慮して、関係者には横綱に対応してもらいたい。