素朴な草笛に挑戦

草笛 認定証

小諸に旅行して、小諸城址に立ち寄った。
いまは懐古園という庭園になっていて、美術館やらが入っている。
午後になって懐古園に立ち寄って見ると、なにやらどこからか
動物のような鳴き声がする。
音のするほうに歩いていってみると、「草笛」ののぼりを発見。
どうやら信州小諸草笛会という会の方々が、草笛講習会を開いていた
ようだった。鳴き声の正体は草笛だったのだ。
こういうのは絶対やるタイプです、わたし。
オーバー60と思しき男性ふたりが教えてくれている。
見事、音が出れば認定証をくれるという。
がぜん色めきたちましたね、わたし。
あけびの葉を使い、葉の曲線の部分を5ミリほどなめてしめらせ、
下唇にあてて、ロウソクを吹き消すように吹く。
そんな説明をされて、吹いてみるが、なにをどのようにしても
鳴らない。先生のふたりは器用に音程も調節できる。
なんと「ふるさと」なんかを器用に吹いている。
先生もなんとかこのできそこないの生徒に音がでるようにさせて
やりたいといろいろアドバイスしてくれるのだが、
なにをどのようにやっても鳴らないのです。
フー、ブー、フーと、肺胞のなかの空気を8回ぐらい入れ替える
ぐらい吹いてもできない。どうしても音がでない。
続々と認定証をもらう参加者たち。あせる、わたし。
気がつくと、10人ぐらいいる。なかなかの盛況である。
なかなか鳴らせない私を尻目に、人々は先生たちに
「ふるさと」のフルコーラスをアンコールした。
この曲、ドボルザークの「新世界より」からの童謡でしたね。
みんなで「うさぎ追いし〜、かのやま〜」って合唱。
小諸の空に、庭園の緑。参加したおっさんたちの笑顔。
いいシーンでしたね。
みんなが私を尻目にいい気持ちで歌っていたとき、
私は眉間にしわ寄せて、ブー、フーとやっていた。
そして、「ふるさと」の3コーラス目が終わろうとするそのとき、
「ビーー、ピィイーーー!」って。
やった! 鳴った!
みんなが感動に浸っているとき、
私は別の感動に浸っていた。
30分はかかったか。
途中何度も辞めようと思った。
でも人生、あきらめなくてよかった。
このあとはもう鳴る鳴る。おもしろいように鳴る。
けっこう大きな音がでる。
音程を変えることができれば、自在に曲を奏でられるだろう。
さっそく認定証を書いてもらいました。写真がそれ。
こんなことが書かれてあった。


あなたは、文豪「島崎藤村」が『千曲川旅情のうた』に
「小諸なる古城のほとり・歌かなし佐久の草笛・」と詠み
横山祖道老師が草笛を通じて<心>を説いた小諸において
草笛に挑戦され、見事にすばらしい音色を出すことに成功
されましたので、敬意を表しここに認定します。
 草笛の素朴な音色を通じ、優しさや思いやりの心を人々
に伝えることをご祈念申し上げます。


ほんと素朴な音色なんです。
上唇と葉の間を空気が抜けるとき、葉が振動する。
そのときに音が出るようです。
5センチぐらいで適度な弾力のある葉がいいそうです。
ベンジャミンや桜の葉でもできるそうです。
みなさんもぜひやってみてください。
子ども受けすること間違いないです。
よい思い出になりました。
そして、何よりも感動したッ!
信州小諸草笛会のみなさま、ありがとうございました!