アメリカ旅行⑦ ドレスコードとチップと英会話

アメリ旅行記は1月4日から8回に渡って書きます。


日本が欧米化したから、アメリカに行ってもさほど違いは感じない。
文化の違いを感じるのは、ドレスコードとチップである。
アメリカではジャケット着用を義務付ける店があるんですよね。
なので、ビビッてジャケットと靴を別に持っていった。
たぶん、マイケル・ジョーダンのステーキハウスではドレスコードは必要なかった
と思うけれど、それなりの雰囲気はあるので、ドレスアップというほどのものは
必要ないにしても、ジーンズでないほうが居心地はいいだろう。
ドレスコードは、白人以外の人種を締め出したいが、おおっぴらにできないため、
服装で規制した昔のなごりだというのを、ものの本で読んだ気がする。
チップもそう。キリスト教の「施し」の考えに加え、アフリカ系アメリカ人
ヒスパニックなどのうちで、低所得の人々の収入を補うためという背景が
あるという話である。
私は自分のことは自分でやりたいので、荷物をホテルの部屋まで自分で運びたいし、
連泊するのに何度もベッドメークをしてもらわなくてもいいのだが、
それをするなというと、そうした仕事をする人たちから「われわれの仕事を奪うな」
ということになる。
日本は格差社会になったといえども、アメリカや中国の比ではない。
多様な人種がまざらなかったぶん、人種差別はほかの国に比べたら少ないし、
だからドレスコードやチップの文化も育たなかった。
ニューヨークは物価が高いからチップも高い。食事をすると、いまはだいたい15〜
20%のチップを求められるのだが、ニューヨークは20%必要という話である。
ふたりで50ドル(約6000円)の食事をすると、60ドル支払うことになる。
1200円余計に支払うわけだ。日本人の感覚からすると、かなり割高に感じる。
ホテルのポーターやベッドメイクをしてくれた場合は、通常ひとり1ドルだそうだ。
海外旅行慣れしている人には当たり前の話だろうけど、
二度目の私にはすべてが新鮮だった。
新鮮といえば、英語もそう。
なかなか通じないんですよ、これが。
最初はガイドブックで覚えた一夜漬け英語を駆使し、
なんとか文章にしてしゃべろうと思うのだが、最後のほうは
「YES!」
「NO!」
「OK!」
「This one please!」
ばっかりになってくる。
「聞き取れるけどしゃべれない」と人はよくいう。
私の場合は、聞き取るのも難しかった。
特に旅も中盤以降になってくると、脳がへとへとになり、
単語だけポーンと耳に入ってくる。
国際郵便用の切手を買おうとして、お店の聞いたときも
「……インターナショナル……」と、会話の中で単語だけがわかる。
「ははん、国外か、国内に出すのか聞いているのだな」とわかった。
「……ID……」と言われたら、「パスポートを出せと言うとるんだな」と考える。
そういう体たらくだったので、意思疎通には苦労した。
向こうも通じないのは日常茶飯事らしく、適当にあしらってくれる。
ある意味、ナメられているんですね。
たまに、「ハッキリしろよ」みたいな感じでイラつかれたりするんだけれど、
そのほうが自然な人としての対応だという気がしてくる。
日本語で「元気ですか?」と言ってくるアメリカ人がいた。
たしかに彼らがよくいう挨拶「How are you」を直訳すると、「元気ですか」で
間違いない。けれど、私たち日本人はそういわれると、ついついアントニオ猪木氏を
思い出してしまうのである。
いいなあと思えるのは、どんなお店に入っても「Hi!」とか、「Hellow!」「Good
morning!」などと互いに挨拶をするところ。別れ際には、「Have a good day!」
「You too」と交し合う。日本では飲食店では「ごちそうさん」と言って出て行く人が
いるけど、コンビニではこの会話は皆無である。日本のコンビニでも何かしら会話を
交わしたいですね。何がいいかな。
「いらっしゃいませ」と言われたら、
「こんにちは」でもいい。「どうも!」でもいいな。
いっそのこと、「元気ですか」はどうだろうか。
「ありがとうございました」に対しては、「ありがとう」がいいですね。
やはり「どうも!」はいつでも使えるな。
「また来るよ」なんてのもいいかもしれない。
アメリカでの旅が快適で心地よかったのは、彼らがしてくれる挨拶のせいかもしれない。