勉強をする前に

ある企業の社長さんとお話させていただく機会を得ました。
インターンの学生さんに、将来何をしたいか訊いたところ、
なかなか答えが出てこないのだという。
「とりあえずでいいから、決めてしまいなさい」と学生さんには
言うのだというが、それでも出てこない。
「とりあえず」というのは社長にもちゃんと理由がある。彼は、
「将来なりたいものを決めることで知識が自分のものになる」
というのです。
たとえば、ツアーコンダクターになりたいというなら、
英語や歴史の知識が必要になってくる。
経営者になりたいというなら、経営学を学び、会計の勉強するために
数学の知識も必要になってくるだろう。
そうした「自分のなりたいもの」を描いたほうが、
勉強は身に付きやすいということを言っているわけです。
だからとりあえずでいいから決めなさいと言ってきかせるのです。
とてもよくわかる話ではありませんか。
勉強して知識を蓄えることが目的ではなくて、知識を使って、
将来なりたいもの、やりたいことを達成するのが目的のはずです。
その意味では、早くから将来何になりたいかを決めたほうが
いいということでしょう。
そうやって学校での勉強をしていれば、働き出してからも
その知識は忘れないものだと思います。