「おもいやりぞーん」ってナンだ? 

東京の私鉄・京王線では電車内に「おもいやりぞーん」なる
ものをもうけた。携帯電話の画に「OFF」と書いてあるオレンジの
ステッカーが車内の壁に張ってある。
優先席付近では携帯電話の電源をオフにするように、とのことだろう。
総務省によると、携帯電話やPHSは心臓ペースメーカーの装着部位
から22センチ以上、非接触型ICカードは12センチ以上離すことを
明記している。
理論上は首からさげたり、胸ポケットに入れていないかぎり、
機械の誤作動を起こすことはないと考えられている。
省庁のいうことだから、おそらくこの22センチという数値は
かなり多めにとってあるとみていいだろう。
けれど、本当に機械を使っている人にとっては、携帯電話がそばに
あるだけでコワイものだろう。
ぼくも一度、優先席に座っている初老の男性に注意されたことがある。
だから、本当は優先席近くに行くときには電源をオフにすべきなのだ。
ところで、優先席に座る人たちを見ていて思うことがある。
みんな、他に座るところがあれば、優先席にはわざわざ座らない
ようにしている。一見、えらいなと思う。
だが、「できるだけ空けておく」という積極的な理由よりは、
「席を譲りたくないから優先席に座らない」という人も多いような
気がする。
先日、電車に乗っていて八割がた席が埋まっていて、大きな駅に着いて
たくさん人が乗ってくるというとき、優先席に座っていたのに一般席に
わざわざ移った人がいた。
どっちの席にいても、席を必要とする人がいれば
席を譲ったほうがいいのではないか。
なまじ優先席などつくるから、「優先席でなければ譲らなくてもいい」
と理解する人が出てくる。
「おもいやりぞーん」などつくらなくても電磁波の害について
知っておき、自主的に携帯の電源を切るべきだろう。
で、ここまでは理想論。
実際にはそういう害を受ける可能性がある限り、
「おもいやりぞーん」のような注意書きは必要なのだろう。
いま私たちが考えるべき問題は、誰かからこうして注意して
もらわないと何も判断できなくなっているということなのだ。