過干渉か、不干渉か

ぼくは新聞の人生相談欄が好きなんです。
読者が紙上で悩みを相談して、著名人が返答するというやつです。
先日、ちょっと印象深かったものがありました。
悩んでいるのは30代の女性。
結婚して実の親と二世帯住宅に住んでいる。
一階は両親で、二階は自分たち夫婦の生活領域で、
干渉しないことをルールとして、同居生活がスタートした。
この女性には妹がいて、妹夫婦が両親のところに
遊びにやってくる。
毎週のようにやって来てはご飯を食べ、お風呂に入り、子どもを
あずけては夫婦で独身時代のようにデートに出かけるという。
そういう妹夫婦を見て、姉であるこの女性は納得がいかない。
「そんなことで妹が憎たらしくなる自分の狭量さも嫌」
と言って悩んでいる。
こういうパターンは珍しいです。
親が過干渉で嫌になるというのはよく聞く話ですけどね。
干渉されなければされないで、さびしいんです。
人間って本当に身勝手ですよね。
この女性も自分が身勝手なことをわかっているんです。
でも、それでもどうにもならないから、悩んでいる。
回答者は「親と適度に干渉しあうようにすればよろしい」と
ごく当たり前の回答を寄せていた。
「適度な距離感」と簡単に言うが、育った時代が違う親子は
「適度な距離感」自体が違う。
どんな人間関係においてもそうだけど、やっぱり両者が歩み寄る
ことが必要ですね。
見得とか意地が邪魔をするんだけど、自分が望む以上、相手の望みも
受け入れないといけないですよ。
どこかに接点を見出すように話し合わないと。
現代人はやっぱりコミュニケーション不足です。