鋭い指摘

いじめに対する考え方として、中学生がここまで深い考えを
持っているのかと感心した作文を紹介しよう。
第36回 全国中学生人権作文コンテストで総理大臣賞をとった
旭川市立永山中学校2年の紙谷桃歌さんの作文を
一部抜粋して紹介する。

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「いじめのストッパー」になるには
必要不可欠な三つの要素があると思います。
一つ目は,正しい善悪の判断ができること。
二つ 目は,自分の意見を持つこと。
そして三つ目は,他人の意見を尊重すること。
日本人はこの三つの中の一つ目と三つ目は
とても良くできていると思うのですが,
二つ目の「自分の意見を持つ」に関しては
意識できていない人が多い気がします。
日本人は周りに合わせることを良しとするので,
協調性にとても優れているのですが,
いじめの場合,この特徴は悪い方向に行きがちです。
いじめは大抵一人対大勢なので,周りの人達は
自然と人数の多いいじめる側についてしまうのです。
こういう場合には,自分の意見を持ち,周りに流されず
きちんと主張することが 重要になります。
私はこれこそが今の日本人が「いじめのストッパー」に
なるために最も必要なことだと思います。

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日本の場合、いじめの傍観者になることが多いことが、
わかっている。
自分の意見を主張することがよしとされておらず、
周りに合わせることが、自分を出すよりも大切なことだと
勘違いしている。
社会人になったら自分の意見を持てと言われる。
かつては「上司に聞いてから」とか、「本社に聞いてから」と
いう会社員が多かったが、これからは自分の意見をもつことが
国際社会でも大切だとさんざん言われている。
だとしたら、もう生徒、学生の時代からそうやったほうがいい。
そして、自分の意見を主張できる雰囲気、空気をつくらないと
いけない。
そのためには、やっぱり自分は人と違っていていいんだ
という自己肯定感を高めないといけないなあ。