どこが先に衰えるか

認知症の高齢者を介護した人がぽろっと、
こう言っていた。


「結局、どこが先に衰えるかだ」


足が衰えるとねたきりになるし、
血管が衰えると、血管がつまったり、切れたりする。
心臓が衰えると、心臓の病気になるし、
何かの刺激で細胞ががん化することもある。
脳が衰えるのが、認知症だというのだ。
なるほどなあって思った。
どこも悪くならなければ、老衰で、最後のろうそくの炎が
消えるようにふっと亡くなるのだろう。
どこが先に悪くなるのか、本人にもわからない。
サイコロを振ってどの目が出るかわからないわけだ。
そういうものと、諦めることも必要ってことだ。