バッシングはチャンス

バンクーバー五輪の日本代表選手が公式ユニフォームを
「個性的に着こなしていた」、いわゆる腰パン騒動で、
周囲の人と世間話をしていたら、多くが容認派だったのに驚いた。
私なんかは「絶対ゆるすまじ」の派ですね。
大相撲横綱の品格問題もそうですが、実力さえあればいい、
勝てばなんでもいいという風潮になったのはどうしてか。
「日本人はすぐに出る杭を打つ」という人もいます。
スノーボードはそういうファッションも競技のひとつ?
あれはファッションか、だらしないだけなのか?
問題はそういうところじゃないと思うのです。


なんで問題になったのか。
日本選手の公式ユニフォームは、公式な場に出るときの正装です。
出国、帰国の前後やレセプションなど、公式な場では
「日本人選手として相当の振る舞いをみんなでしましょうね」という
申し合わせとして着るものだと思います。
ユニフォームとはまとまりと礼節を示すものだと思うのです。
だから、公式な場だけはそうしてきっちり着こなし、
プライベートな場ではファッションをたのしめばいいのです。
公私、TPOを区別するのがファッションのたのしみだと思うのです。
それに、公式ユニフォームはスポンサーのメーカーが他のメーカーと
競争してやっと勝ち取ったものだと思うのです。
デザイナーとかそういう関係者の気持ちを考えると、
やっぱりきちんと着こなし、雪上で、競技で、技で
個性を発揮するべきでした。
さらに釈明会見で悪態をついたことでさらに自分にプレッシャーを
かけてしまった。メダルがとれなかったら、
「口ほどにもないやつ」になってしまうからです。
でも私には不思議とそれほど悪い人間には思えませんでした。
その後、友人の難病の手術代を捻出しようと周囲に寄付を呼びかけた
ことなどが記事になり、擁護論も出てきました。
本人も反省し、「迷惑をかけた人にいい滑りを見せたい」と
語ったときにはちょっと見直しました。
結果は8位でしたが、本人は「自分らしく滑ったから納得した」と
語りました。精一杯の強がりだっただろうと思います。
悔しくないわけがない。口では強がって、部屋で泣けばよい。
なんだか彼には亀田長男と同じにおいがします。
純粋で、素直で、優しく繊細な一面があるように思います。
大事なのは、失態をさらしたときに苦言を呈してくれる人の言うことを
きちんと聞いて、何が悪かったか反省することです。
周囲が苦言を呈してくれるのは若いときだけで、
年を取ると誰もいってくれなくなり、相手にされなくなるだけです。
30歳を過ぎて失態をさらすと致命的です。
今回の経験を生かすも殺すのも自分次第です。
奇しくも注目を集めたのだから、さらに成長するチャンスです。
今後の活躍をたのしみに注目してみたい。