かなしいとき

子供ができて、うれしいたのしいこともあれば、
かなしいこともある。
ひとつは、独身者から「勝ち組」のように言われることである。
そんなつもりはないのに。
いわれると、わざとおどけてそういうふうに振る舞ってみたりする。


もうひとつは、子供が母親のほうに依存しているとき。
自分が何をやっても泣き止まなかったのに、
妻がなだめると、泣き止むときは、かなしい。
「母親のほうが一緒にいる時間が長いんだから、しょうがないよ」
いや、それよりもですね、なぜ私では泣きやんでくれないのか
と思ってかなしいのです。
「お父さんのこと、嫌いになったの?」と思う。
でも、次の日、笑いかけてくれるとホッとする。
そうやって、親も喜んだり、落胆したりして成長するのでしょう。