ブックオフと図書館

出版業界にいると、この業界の今後なんかも考えたりするわけで。
今回はブックオフと図書館のあり方について考えてみた。
ブックオフを目の敵にしている出版人は多い。
言うまでもなく、新品が売れなくなるからだ。
しかも立ち読みし放題なので、一日中ブックオフで過ごす学生もいる。
けれども本を大切にする、多くの人が安価に本を
手に入れられるという面ではよいとも思える。
だから、ブックオフも二次使用分については、著作権的なものを
出版社や著者に少し払うというのはどうか。
読んだら手元に置いておく必要がなくなるという意味で、
家具や楽器などの中古品とは性格が異なる。
図書館も同じ。
入手しにくい学術書や高額書ばかりでなく、
ベストセラーの本まで図書館に揃っている。
これでは新品は売れない。
本は部数と価格で採算ラインが決まってくる。
本をつくっているとわかるが、本の価格はギリギリに抑えられている。
高いとは思うが、これ以上安くすると出版文化は崩壊する。
図書館は入手しにくい学術書や高額書に限定し、
一般書とは棲み分けする。
あるいは、図書館で揃えたときは貸し出し件数に応じて
図書館の運営母体(ほとんどは自治体だと思うが)から、
いくらかの使用料のようなものを納めることにするのだ。
そうすると読者は安価に本が読むことができ、出版文化も守られる。
書き手も儲かり、いい本ができ、読者も増え、本が売れ、すると
また書き手も儲かり、いい本ができ……という好循環になる。
長い目でみればブックオフもそのほうが儲かるはずなのだ。
要はもうちょっとぼくらが儲かるようになったらなあ
というお話でした。