正直さが必要な時代

いまテレビ番組の作り方でキーワードとなっているのが、
「タイアップ」と「ガチンコ」だ。
以前は、タイアップを巧妙に隠して、「演出」の名のもとに、
商品やサービスをPRするという手法だったが、
そうした視聴者をある意味で、だますような手法が
ネットの発達であばかれるようになり、視聴者もそれを知って、
シラけるようになってしまった。
そこでテレビ局は、はっきり「タイアップ」と「ガチンコ」の
両極端に分離した。
「ガチンコ」とは、ありのままを放送することで、
企業の商品、サービスがこきおろされることもあれば、
タレントが本当にクタクタになるまで撮影を続行するということだ。
業界的なある種「うまいやり方」は視聴者に見透かされているので、
もう正直にやろうということなのではないかな。
そのほうが逆に共感を得られると。
本も同じじゃないかな。
「私は書く時間がないので、ゴーストライターに書かせた」
とはっきり言っていいと思う。
「でも、大事なことはちゃんと書いたよ」といえばいい。
読者にとって、小説でないかぎり、本人が実際に書いたかどうかは
たぶんどうでもいいことで、そこに何が書かれてあって、
何を感じ、考えたかということが大事なはずだ。
でも、それって、出版業界はやらないんですよね。
よく本を読む人なら、実際に本人が書いたのか、ゴーストライター
書いたのか、わかるはずなんですよ。
正直に言ったほうが、逆にその本の価値を高めると思うな。
今の時代は、正直な人が特に評価されると思う。
今度つくる本では、そんなことも提案していこうと思う。