映画「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」

マイケル・ムーア監督作品は、
ボウリング・フォー・コロンバイン」を最初に見て
衝撃を受けてから、「華氏911」を見て、
この「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」が3作目だ。
社会派なテーマを飽きさせずに見させる手法をさすが。
私が書く記事や本の原稿にも通じるところがあり、
なかなか面白く見た。
彼のいう世界侵略というのは、武力ではなく知力を持って
世界各国の知恵を盗んで来ようというものだ。
主にヨーロッパの国々の優れた制度、システム、方法を
自らも驚きを持って観察している。
彼が優れているのは、必ず現地に行って、そこにいる人の
生の声を聴いていることだ。
彼は以前、「自分は経済の難しいことはよくわからないが、
自分が実感することを大切にしている」という意味のことを
述べていた。
ジャーナリスト的な発想だ。
もちろん、事前に資料を読み込むことは必要で、
勉強もする必要はある。
その事前準備をやったうえで現場に出て生の声を聴くこと。
今回の映画でも彼は必ずそうやっている。
結局、全部米国発のアイデアであるというオチもよし。
「足元を見つめ直せ」というメッセージは
そのまま日本にも当てはまる。
あと数年はこの映画は新鮮さを持って見ることができるだろう。